タイムズカーのWebシステムへの不正アクセスをめぐり、運転免許証画像などの本人確認書類情報が漏えいしたアカウントは約160万件と確認されました。カーシェアをいま使っている人だけでなく、以前に利用した人にも関わる出来事です。
大切なのは、見出しだけで「すぐ何かの手続きをしなければ」と決めないことです。会社が確認した情報、今後変わる保有ルール、自治体・警察の窓口で確認する話は、それぞれ意味が違います。
タイムズカーで何が公表され、利用者はどの画面から確認を始めればよいのか。いま確定している内容を、順番に追ってみます。
入口は不安を広げることではなく、本人確認書類の画像が対象だったかを公式の個別案内と会社サイトで確かめることです。
連絡、画像の保有ルール、再交付の相談先を一つの話に混ぜないと、次に見るべき場所が分かりやすくなります。
約160万件の本人確認書類情報、何が確認された?

パーク24の第3報によると、運転免許証画像などの本人確認書類情報の漏えいが確認されたアカウント数は約160万件です。会社は、運転免許証画像のほか、住所確認書類、学生証、家族確認書類の画像が対象になり得ると説明しています。
それより前の第2報では、不正アクセスを受けたシステムに保存された会員情報について、約660万件のアカウントで第三者による取得を確認したと公表しました。対象者によって情報は異なり、氏名、住所、生年月日、電話番号、メールアドレス、運転免許情報、本人確認書類情報などが挙げられています。
一方で、同社はクレジットカード情報の漏えいは確認していないとし、パスワードは復元できない形式で保管されていたため、その情報だけでアカウントを不正利用されるおそれはないと説明しています。約660万件と約160万件は、同じ範囲を示す数字ではありません。
「約660万件」は不正アクセスで取得が確認されたアカウント全体、「約160万件」は本人確認書類情報が漏えいしたアカウントです。
数字の大きさだけでなく、何を数えているのかを分けると、会社の案内を読み違えにくくなります。
登録後即時削除への変更は、何を意味する?

第4報でタイムズモビリティは、本人確認書類の画像について、会員登録の確認完了後は保有しないルールへ変更すると公表しました。従来は現会員の画像を会員期間中、退会会員の画像を退会後7年間保有していたとしています。
同社は、当時保有している本人確認書類の画像を、本人からの申出の有無にかかわらず2026年10月末までに削除する予定とも案内しました。これは今回の漏えいで外部に出たと確認された情報を回収する話ではなく、会社が今後保有する画像の扱いを変えるという発表です。
そのため、「画像を削除する」という一文だけで、自分が漏えい対象だったか、すでに個別対応が終わったかまで判断することはできません。対象者への連絡と、会社の保有ルールの変更は別々に確認したいところです。
今後の画像保有ルールと、過去に漏えいした可能性のある情報は別の論点です。
公式の個別案内に書かれた対象・手順と、会社全体のルール変更を分けて読みましょう。
連絡が来たら、リンクより先に公式サイトを開く

会社は、タイムズカーを装ったメール、SMS、電話に注意するよう呼びかけています。パスワード、認証コード、クレジットカード情報をメール、SMS、電話で尋ねることはない、と明記しています。
連絡を受け取ったときは、文面のリンクを急いで開くより、普段使うブックマークや検索から自分で会社の公式サイト・会員ページを開き、同じ案内があるかを確かめます。本文中の電話番号やURLを見て「本物らしい」と決めるのではなく、会社が公表している問い合わせ先と照合したいところです。
SMSの送信元表示だけで判断しない考え方は、au ID・決済認証の送信元変更を扱った記事にも通じます。サービスからの通知に見えても、認証情報を入力する前に、自分で開いた公式画面を起点にする習慣が役立ちます。
メール、SMS、電話でパスワードや認証コード、クレジットカード情報を入力・回答するよう求められても、その場で応じないことが会社の案内です。
確認先はメッセージ内のリンクではなく、自分で開いた公式サイトや公式窓口に置きます。
免許証の再交付は、必要な人が公式窓口で確認する

静岡県警察の案内は、タイムズカーへの不正アクセスで運転免許証の画像などが漏えいした人は、運転免許証の再交付申請ができるとしています。手続場所、受付時間、必要な持ち物、手数料も同ページで案内されています。
ただし、このページは静岡県警察の案内です。居住地や持っている免許の種類によって窓口・条件が同じとは限りません。また、これは全利用者に再交付を求める通知ではありません。対象に該当するか、手続きを検討するかは、会社の個別案内と住所地を管轄する警察・免許センターの公式案内を見て判断する必要があります。
日常サービスの条件を確認するときも、通知から直接進むより自分で公式アプリを開くほうが確実です。teppayの利用条件を確認する記事で触れたように、便利なサービスほど「どの残高・どの条件か」を公式表示で確かめる順番が支えになります。
再交付は一律の作業ではありません。
個別案内の対象確認 → 住所地の公式窓口 → 必要書類・受付時間の確認、という順で、住んでいる地域の案内に戻るのが安全です。
自分の状況を三つに分けて、次の案内を追う
個別の案内を受け取った人は、記載された対象情報と、会社が案内する問い合わせ先を照合します。タイムズカーを過去に使ったことがあり、まだ案内を見ていない人は、メールの真偽を推測する前に、会社の公表ページや会員ページから情報を確認するのが出発点になります。
そして免許証画像に関する対応を考えている人は、会社の案内だけでなく、住所地を管轄する警察・免許センターの公式情報まで確認したいところです。誰にとっても同じ一手が必要なわけではないため、自分の状況に必要な情報へ絞ることが大切です。
今回の公表は、カーシェアの使い勝手だけでなく、サービスが本人確認書類をどのように保有するかを考える契機にもなりました。まずは公式の案内を自分で開き、確認できた事実と、これから相談する手続きを分けて進めれば、必要以上に急がずに対応を考えられます。