株式市場

ロングリーチがC-United(カフェ・ベローチェ)売却を検討。国内カフェ業界に激震、巨額M&Aの背景と今後の展望

2026年2月23日

2026年2月20日、日本の外食産業に大きな転換点となるニュースが飛び込んできました。日本と香港に拠点を置く独立系プライベート・エクイティ(PE)ファンドのロングリーチグループが、大手カフェチェーンを運営するC-United株式会社の売却に向けて本格的な検討に入ったことが判明しました。

本記事では、この売却検討がなぜ行われているのか、買収候補の狙い、そして私たちの日常にあるカフェが今後どう変わるのかを、業界の構造変化を踏まえて詳しく解説します。

1. ニュースの概要:ロングリーチグループがC-United売却へ

関係者の話によると、ロングリーチは「カフェ・ベローチェ」や「珈琲館」、「カフェ・ド・クリエ」などを傘下に持つC-Unitedの売却を計画しており、既に複数の有力候補と交渉を進めているとのことです。

主な買収候補者

現在、名前が挙がっている主な企業は以下の通りです。

  • 株式会社コロワイド: 「牛角」や「大戸屋」を展開する外食大手
  • 日本産業推進機構(NSSK): 国内の中堅企業投資に強みを持つPEファンド

早ければ2026年2月最終週にも優先交渉権が付与される見通しで、2026年最大級の外食M&A案件として注目されています。

2. C-Unitedとは?ロングリーチが築いた「カフェ・プラットフォーム」

C-Unitedは、バラバラだった有名ブランドをロングリーチが買収・統合して作り上げた巨大カフェ企業です。

統合の歩み(ロールアップ戦略)

  1. 2018年: UCC上島珈琲から珈琲館を取得。
  2. 2020年: 「カフェ・ベローチェ」のシャノアールを傘下に。
  3. 2021年: 両社が合併し、C-Unitedが発足。
  4. 2022-23年: サッポログループからカフェ・ド・クリエを吸収合併。

この結果、店舗数は約600店舗に達し、スターバックスやドトールに次ぐ、国内トップクラスの規模を誇る勢力となりました。

ブランド名形態主なターゲット・強み
カフェ・ベローチェセルフ都市部のビジネスパーソン、圧倒的なスピード感
珈琲館フルサービス落ち着いた空間、こだわり派の固定客
カフェ・ド・クリエセルフ女性層の支持、ショッピングモールや病院内立地

3. なぜ今売却なのか?PEファンドの出口戦略(エグジット)

ロングリーチがこのタイミングで売却を検討する理由は、主に2つのポイントに集約されます。

① 投資サイクルの完了

PEファンドは通常3〜7年で企業価値を高め、売却して利益を投資家に還元します。ロングリーチが2018年に投資を開始してから約8年。不採算店舗の整理やブランド統合、共通プラットフォームの構築といったバリューアップ(企業価値向上)が一段落したため、今が「収穫期」であると判断したと考えられます。

② ポートフォリオの入れ替え

ロングリーチは2024年に新たな大型ファンドを立ち上げ、2025年にも複数のIPOやTOBを成功させています。C-Unitedという巨大資産を現金化し、次なる成長分野へ投資リソースを集中させる戦略的な狙いがあります。

4. 買収候補の戦略的意図:コロワイドとNSSKの狙い

コロワイド:カフェ事業という「最後のパズル」

外食プラットフォーマーを目指すコロワイドにとって、唯一の弱点がカフェカテゴリーでした。約600店舗を一気に手に入れることで、既存のセントラルキッチン(調理工場)や物流網を活用し、劇的なコストダウンと利益率向上を狙えます。

NSSK:専門的な構造改革

投資ファンドであるNSSKが取得する場合、さらなる店舗不動産の収益化や、フランチャイズ(FC)化の加速など、より財務面・運営面での効率化を徹底するシナリオが予想されます。

5. 2026年現在の外食業界を取り巻くマクロ環境

今回の売却劇は、外食業界全体が直面している課題を映し出しています。

  • 原材料・コストの高騰: 2025年から続く米不足やコーヒー豆の価格上昇により、単独ブランドでの運営よりも「規模の経済」を活かしたグループ運営が不可欠になっています。
  • 人手不足とDX化: セルフレジやAI需要予測など、IT投資には巨額の資金が必要です。大手資本の傘下に入ることで、これらの投資を加速させるメリットがあります。
  • 投資市場の活況: 2025年の飲食M&A件数は過去最多を記録。日本企業の価値再評価が進む中、現金創出能力の高いカフェ事業は投資対象として非常に魅力的です。

6. まとめ:私たちのカフェ体験はどう変わる?

ロングリーチによるC-Unitedの売却は、日本のカフェ文化が「ブランド単体の競争」から「巨大資本による効率競争」へ移行したことを象徴しています。

もしコロワイドが買収すれば、グループ共通ポイントの導入や、フードメニューの強化が期待されます。一方、ファンドが主導すれば、より地域ニーズに特化した効率的な店舗運営に磨きがかかるでしょう。

来週にも発表される可能性のある優先交渉権の行方に、今後も注目が集まります。

免責事項: 本記事は2026年2月時点の報道および公開情報を基にした分析であり、最終的な取引結果を保証するものではありません。

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